頭の中

衝動解放活動

前々回の記事でも触れたのだが、楽しい時間はあっという間に終わる。 本当に同じ尺を使っているのかと疑いたくなるほど、楽しい時とそうでない時の体感差が激しい。それはもちろん集中しているか否か、脳内のナンチャラ成分が分泌されているか否かなどと言っ…

ミチコオノという時間があった(パート2)

ミチコオノ日記を読んでいると、不思議と自分の人生の一場面と重なる時がある。といっても、こちらが勝手に合わせているだけなのだが。 第4話に登場する盾矢ミユキと主人公オノミチコの関係が、そういった場面のひとつだった。 盾矢ミユキO型蠍座ダンス部派…

ミチコオノという時間があった(パート1)

誰もが知っている通り、楽しい時間はあっという間に終わる。 水曜7時のドラゴンボールも、ドラえもん音頭が流れていた夏祭りも、深夜のファミレスで話し込んだ時間も、冗談みたいな速さで過ぎていき、気が付いた時には何事もなかったかのようにいつもの日常…

無料ダウンロードキャンペーンのお知らせ

本日5月7日から11日まで、Amazon Kindleストアで販売している電子書籍「じゃあ、またね」の改訂版無料ダウンロードキャンペーンを行います。以下があらすじ、及び、ダウンロードページのリンクです。 ムラセコウタを最後に見たのは、アズマたちに呼び出しを…

子供の頃に見た正月みたいな風景

オンタリオ州の緊急事態宣言が発令されてから今日で1ヶ月と18日。4日間の休みが取れたので、念願だった散歩に出た。 政府からの通達に従い、身分証明書を携帯してウォーキングシューズを履く。 天気は雲が散らばる晴れ。気温10度。歩いて5分程の距離にあるメ…

これからって時に、敬語はやめませんか

「一応確認しますけど、手順は分かってますよね」 「はい」 「準備はできているので大丈夫だと思います」 「色々ありがとうございました」 「あの、あれですよ、約束では『目が覚めちゃったら自分で』ってなってますけど、もしその時に気が変わってたら、い…

サラバ、私が見てきた世界よ

家の近くにあったレンタルビデオ店は、「TSUTAYA」ではなく、「すみや」だった。 店の内装や雰囲気は駅前にあったTSUTAYAの方が洒落ていたが、私はアットホームなすみやが好きだった。 閉店間際に行って映画を3本借り、すぐ横にあったセブンイレブンでチェリ…

反省文

両耳にかかる水圧。目を閉じてるから光はなくて、とにかく重くて息苦しい。 光を掴んだ気がした。 こじ開けた穴に腕をねじ込み、チャンスの尻尾を掴んだ気がした。 先が見えた。そう実感したから眠くならなかった。ずっと頭が興奮して、睡眠なんて必要なかっ…

恥なんか、多摩川に捨てた

「なぁ、ダメ元で聞くんだけど、『付かず離れず』って、どんな感じの関係を言ってるのか分かるか?」 「付かず離れず? 何だ急に」 「大したことじゃないんだけど、ちょっと気になってね」 「何の雑誌だ?」 「え?」 「お前が変なこと聞いてくるときは、大…

メープル通りの白樺荘

白樺は、親父にとって特別な木だった。 小さくて狭い実家の裏庭にあった白樺の木。周囲の景色に馴染まないその様子は、四畳半に寝転がるペルシャ猫のようだった。 「サラサラって葉っぱの音を聞いたら、北海道かどっかの避暑地にいるみたいだろ」 窓を開けら…

シラフで他人を虐める奴より、キマって揺れてる奴がいい

透明な枠でもがいてる 自由だ自立だって叫んでも 何かに怯えて後ろを見るんだ 一日の終わりに目を瞑る 十字も切らないし手も合わさない ただ黙って祈りを捧げる 当たり前である事に涙を流し 当たり前である事に苦しさを覚える いつも何かを追ってんだ 降りて…

「放課後のジェットリー」は眠らない

「何でその名前なんだよ?」 「何が?」 「ラジオネーム。変だろ、それ」 「変じゃねーよ。ちゃんと計算して付けた名前だぞ」 「『放課後のジェットリー』が?」 「いいか、ラジオネームってのはインパクトが命だ。名前八割、内容二割って言うだろ。そんだけ…

ここにいるよ

駐車場のライトに照らされた車体が汚れている。 泥で出来た線を指先で擦り、ユウタは運転席のドアを開けた。 「はい、ミルクティーとチョココロネ。ミニクロワッサンはなかったから、代わりにチョコデニッシュ買ってきた。好きだったろ?」 「うん、ありがと…

あんたやあんた達の歌をうたおう

灰色の壁に投げた石が影になって夜に溶け込む 盗んだ菓子を頬張っても離した思いは戻らない 帰れなかった校庭でお前は何を見ていた 蹴飛ばされた帰り道でお前は何を見ていた 騒がしい国道に消された叫びジェスチャーだけじゃ掴めなかった 首にかけてた銀の鍵…

アチラとコチラ (完結)

3つ目 出来過ぎた展開に、都合の良いタイミング。 この話をもし小説として書くのなら、プロットの段階で大幅に修正しなければいけなくなるだろう。 まるで、ご都合主義の王道を行くようなストーリー。3つ目の岐路は、そんな事例の連続で作られていった。 …

アチラとコチラ (2つ目)

2つ目 駅前の公衆トイレ 風が強い静かな夜 階段で見た腕時計 記憶に強く残っている場面がある。 それは匂いや音を伴い、時間が経っても薄れることなく頭の中に存在し続ける。 私が経験した2つ目の人生の岐路は、そういったいくつかの場面の先に用意されて…

アチラとコチラ (1つ目)

並行世界、パラレルワールド。 呼び名は何だっていい。滑稽な話に聞こえるかもしれないが、私はそういった世界の存在を信じている。 私が生きている世界、私が生きている別の世界、そして私が死んだ世界。 宗教的な話や非科学的な話をしたいのではない。ただ…

Aの中で、Bを見る

制限があっても、与えられた中で花を見つける。 まだ大洋ホエールズが生きていた頃、私はコントローラーが絶対に回ってこない「ファミコン応援係」という役を与えられていた。 仲間に入れてもらえるアイテム、ファンタオレンジを献上して、所定の位置に座る…

出し続ければ開くって、本気でそう信じてるよ

仕事着を通して見渡す街に 暮れも明けも存在しない 夜になったら ただ忙しく 朝になれば ただ煙たい 鏡を見つめて息を吐く 固まった頬を揉みほぐす ウィードが溢れる帰り道 赤い目玉が笑っている こちらを睨んで吠える狼 立てた中指をしまってくれ 憂いを晴…

こんにちは

So this is Xmas And what have you done 何をしたのかと問われれば、「生きてきた」と答えよう。 五匹の猫がヒーターの通気孔を塞いでいる午前三時半。 丑三つ時の四角い部屋には、離婚記念で空を飛んできた義理の母が寝息を立てている。 約一ヶ月の滞在。 …

残った欠片との別れ 

雪が降った木曜の朝8時、ブラックももひきをはいた私は、リクライニングチェアーに腰掛けて、口を大きく開いていた。 目の前にはマスクをしたインド系歯科医。 彼のタレ目に見守られ、これでもかとリピートされるクリスマスソングに包まれながら、残り1本…

告知

Amazon Kindleストアで電子書籍「アーティフィシャル・フラワーズ」を出版しました。 この作品のテーマは、「偽物」「本物」「血の繋がり」そして、「人を好きになること」です。 こちらには、表題作の他にもう一編、自分にとって思い入れの深い作品である「…

好きな人はいますか?

週間予報に見つけた雪マーク。 楓の国は、もう寒い。 コタツが主役の家で育ったせいか、私は寒さに弱い。 なので、出勤時には防寒ジャケットのジップを上まであげ、手袋をしてハンドルを握っている。 こんな調子では、近日中にブラックももひきの姿を拝むこ…

終わったんです

気持ちが高まっている。 そんな時は、タイプじゃなくてノートに書き出す。 まとまらなくなるのは分かっている。だからそのまま書かないが、今日は構わずタイプする。 只今、こちらは午前五時二十二分。 サーモスタットのパネルに映し出された気温は、4度だ…

13インチの鎮魂歌

腕を押さえてめくるスウェット 横に走った赤い線 ミミズみたいな赤い線 外に出せずに向けた刃 二個目の蛍光灯が点滅する 為すすべがなくて無言で笑う 楽しくもないのに手を叩く 「縦に引いたらマルバツができる」 勝っても負ける真っ赤なゲーム 角はいつだっ…

三つのお知らせ

皆様、こんにちは。 今回は、三つのお知らせがあります。 まず、一つ目なのですが、Amazon Kindle ストアで電子書籍「今川焼きとナポレオン」を出版しました。 以下が、あらすじの書かれている商品ページになります。 今川焼きとナポレオン 作者: 高岡ヨシ …

白旗の行進

月曜の影を踏んでも休息はこない 日曜の券を貯めたってやってこない 口だけで笑うと削られるから しっかりと目を開けて内側を見るんだ 理屈にすがると心が尖るから しっかりと目を開けて内側を見るんだ そうやって息をして 朝がない日々を過ごす 昨日と今日…

ふたり乗りで行こう

5:56に目を覚まし 少し祈って襖を開ける シンクに出来た皿の山 尖った先から日が昇る Fコードの音が響く ガスのコンロがリズムを刻み 薄暗い玉子の花を咲かす 透明になるための白いシャツ 用のないコンビニで息をして 8:11の準急に乗る 広告と景色が…

報う

八月が両肩にのっかる バケツに入れても消えないってさ 綺麗なガラスは悪意を通す 頼んだ覚えはないんだけどな 隅の隅 奥の奥 ここにいるってよく分かったね ぶつけられたのはボールじゃない こんなに痛いのはボールじゃない 塩素が空気に色をつける もう 一…

12年かかって見た景色

12年かかって見た景色。 12年前。 お金も、仕事も、居場所もなかった。 12年前。 「柱もねぇ、壁もねぇ、床板まともにはまってねぇ」幾三ハウスから始まった生活。 ダンボールをタンスにし、結婚記念日にウェンディーズのバーガーセットを食べていた。…

© Copyright 2016 - 2019 想像は終わらない : 高岡ヨシ All Rights Reserved.