制限があっても、与えられた中で花を見つける。
まだ大洋ホエールズが生きていた頃、私はコントローラーが絶対に回ってこない「ファミコン応援係」という役を与えられていた。
仲間に入れてもらえるアイテム、ファンタオレンジを献上して、所定の位置に座る毎日。
表向きはプレイヤーに声援を送っていたが、頭の中ではブラウン管から流れるゲーム音楽を使って遊んでいた。
当時のお気に入りは、ネズミ警官がトランポリンを使ってはしゃぐ「マッピー」。
AメロとBメロの頭に「ミスするなら 金返せよ」と、夢のない歌詞をつけ、それをループさせて声を出さずに歌った。
曲が転調してから「トゥントゥントゥン」と続くメロディラインが気持ちよかった。
そんな脳内歌謡ショーは、曲のテンポがあがると一旦終わり、ツインビーへと移行するのが常であった。
その行為が、あの時、私が見つけた花。
薄暗い中で咲く、一輪の赤い花だった。
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喜怒哀楽。
四つ柱のバランスの大切さを強く感じる、今日この頃です。
こちらではお久しぶりですが、青いハトの世界では、詩、散文などを毎日書いております。
よろしければ覗いてみてください。