2018-01-01から1年間の記事一覧

こんにちは

So this is Xmas And what have you done 何をしたのかと問われれば、「生きてきた」と答えよう。 五匹の猫がヒーターの通気孔を塞いでいる午前三時半。 丑三つ時の四角い部屋には、離婚記念で空を飛んできた義理の母が寝息を立てている。 約一ヶ月の滞在。 …

残った欠片との別れ 

雪が降った木曜の朝8時、ブラックももひきをはいた私は、リクライニングチェアーに腰掛けて、口を大きく開いていた。 目の前にはマスクをしたインド系歯科医。 彼のタレ目に見守られ、これでもかとリピートされるクリスマスソングに包まれながら、残り1本…

好きな人はいますか?

週間予報に見つけた雪マーク。 楓の国は、もう寒い。 コタツが主役の家で育ったせいか、私は寒さに弱い。 なので、出勤時には防寒ジャケットのジップを上まであげ、手袋をしてハンドルを握っている。 こんな調子では、近日中にブラックももひきの姿を拝むこ…

ユワシャ

ハロウィンに特別な思い入れはない。 出勤と同時に化けの皮を被っているのであえて仮装する必要はなく、トリックを披露する場も、トリートを配る機会もないので、職場のバスケットに詰め込まれていた甘いチョコ菓子をかじる以外は、いたって普通の水曜日だっ…

終わったんです

気持ちが高まっている。 そんな時は、タイプじゃなくてノートに書き出す。 まとまらなくなるのは分かっている。だからそのまま書かないが、今日は構わずタイプする。 只今、こちらは午前五時二十二分。 サーモスタットのパネルに映し出された気温は、4度だ…

12年かかって見た景色

12年かかって見た景色。 12年前。 お金も、仕事も、居場所もなかった。 12年前。 「柱もねぇ、壁もねぇ、床板まともにはまってねぇ」幾三ハウスから始まった生活。 ダンボールをタンスにし、結婚記念日にウェンディーズのバーガーセットを食べていた。…

満天の星をみたか

満天の星をみたか 寒さの産声が響く中 黒を濃くした夜空に浮かぶ 満天の星をみたか 工場から漏れる煙も 街を埋める電波でも覆えない 内なる想いを照らす 満天の星をみたか 俺は見た 真夜中の真ん中に開けた窓から 溢れる星を確かに見た 四方に散らばり輝く星…

ご報告

自身の作品である「歩けばいい」が Amazon × よしもとクリエイティブ・エージェンシーが主催する「原作開発プロジェクト」において優秀賞を受賞しました。 ドアが開き、橋がかかった事がとても嬉しいです。 作品を読んでくださった方々、選んでくださった方…

この土地は誰のもの?

メインストリートのコーヒーショップ 右肩に彫られたハイダのイーグル 握手をした友人はもういない 「弓を引く者」 彼はその名を捨てたと言った トライブを抜けた者 居場所を探す者 私も流れてここに来た 「よそ者」レッテルの永住者 私はあなたの敵ではない…

今が永遠に続きはしない

三月になりました。 相変わらず時間は駆け足です。 何というか、誰かに五時間ほどちょろまかされている錯覚に陥ります。 最近、子供の頃よく耳にしていたオノデン(秋葉原にある電気屋さん)のCMソングが頭の中で流れます。 宇宙的な歌詞で電気の世界を紹介…

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