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彼が頭を下げた日

同じ団地の2号棟に住む4人、通称「オリジナルフォー」から始まった集まりのメンバーも7人に増え、せっかくなので小学校最後の夏休みに何処かへ行こうと計画したのが、後に恒例行事として続いていく「五厘サマーキャンプ」の始まりだ。 高校1年の夏にキャ…

十八時に聞こえるサイン

タン タン タン タン タン タン 響くリズムは祭りの太鼓 タン タン タン つられて覗くプールの脇 夕暮れの枠に収まって 思いを投げる黒い影 はじっこの世界で映える オレンジ色したD号ボール コンクリートにぶつける球は 息をのむほど速かった 「何?」 視線…

口にしてはいけない蜜

それは 口にしてはいけない蜜 人の心を掻き立てて 気持ちを揺さぶる甘い蜜 三階のおばさんが暗躍し 団地の噂が素早く回る 甘ったるい蜜の配達に 電子機器など必要ないのだ (勤めていたパルプ工場が倒産し 父親が家を出た) 回覧板のように届けられる話 尽き…

私は知っている

私は知っている いつも近くで見てたから あなたや君を知っている 私は知っている 五時の鐘が鳴るまで校庭で時間をつぶしていた君を お楽しみ会に参加しなかった君を 給食費のことで先生と話していた君を 「楽しみだ」と言ったのに転校前日に「行きたくない」…

高橋名人チルドレンよ、永遠に

高橋名人チルドレンよ、なぜ呼び出してくれなかったのだ? 私のツーコンのマイクは、常にオンにしておくと言ったのに まぁ、いい こうしてまた顔を見せてくれたんだ 細かい事は言いっこなしだ さぁ、早いとこファミコンのコントローラーを握ってくれ 高橋名…

今も、何か書いてる?

その白い指は 確かに舞った 氷上を滑るフィギュアスケーターのように 何の面白味のない無機質なホワイトボードの上を エッジを効かせて駆け抜け 息をのむ美しい文字を残した あの時 心は持っていかれたんだ イチョウ並木に足を止める余裕もなく ひっ叩いても…

空の色をした作業着

「俺の背中を見ておけ」って大声を出すけど その背中は一体どこにあるの? 7時過ぎには家を出て 帰ってくるのは夜中過ぎ 週に1度の休日に 足を向けるのは競輪場だ ほら あなたの背中はどこにもない すすけた青い作業着 黒いオイルにまみれたその服は もう…

私のロードショー

「萌の朱雀」が見たくて並んだ映画館 背伸びは承知の上だった ポップコーンもコーラも買わなかった二列目の特等席 映し出された緑と吊り橋に引き込まれて 内容なんか一つも入ってこなかった ただ 美しく とにかく 夢中になった 鑑賞後 とても強い衝動を感じ…

もう、そこにはいない

「思いを果たすまで 許さない」 春に咲くヒナゲシ 夏に咲くサルビア 秋に咲くヒガンバナ 冬に咲くサザンカ 赤い花の想い出なんかいらない そろそろ荷物を降ろしたいんだ 「恨みを晴らして」 掴まれた肩の感触が 強く残って消えない 十月 教室 ストーブ 畳 何…

行き場のない感情は、どこへ流せばいいのだろう

皆さんには学校や職場、もしくは住んでいる街などに自分1人になれる場所がありますか? 自分は、あります。 というか、新しい所へ行くと、まずその候補地を探します。 小さな神社の拝殿裏 人気のないデパートの屋上 決まった駅の階段下ベンチ 誰も使ってい…

ちょっと待ってくれないか

あの ちょっと待って そのままの姿勢でいいから 少しの間 話を聞いてくれないか? 理由なんか尋ねないよ 此の期に及んだら どうもこうもないよね ねぇ「Fallin' in Love」って曲を知ってる? ハミルトン ジョーフランク&レイノルズっていう長い名前のバンド…

それでも同じ空が広がる

僕は目をつむる こうしてまた目をつむる 何かを思い出したフリをして ランチルームを後にした 休憩時間は残り10分 少し歩を早め ボールルームを通り越して備品室に急ぐ ここは滅多に人が来ない場所 カードキーを挿し ゆっくりとドアを開ける 期待通り 誰も…

これは超能力ですか?

ミスターマリックにトランプマン、そしてユリゲラー。 自分は子供の頃、この3人を本物の超能力者だと信じていました(ユリゲラーに関しては未だにグレーゾーン)。 もちろん、「手品」や「トリック」といった言葉は知っていましたが、変に裏を読み (この人…

言葉にしたい

言葉にしたい 決まることのない3ポイントシュートと体育館の静けさを 「ひょうきん族」が始まる前のザワザワするお茶の間を なかなか顔を見せずに勿体ぶる、給食ワインゼリーのいじらしさを 言葉にしたい 気になっていた子の視線を感じた視聴覚室の奇跡を …

リア充 ”勝手に” 解体新書

本題とのリンクが見えづらいと思いますが、この記事のサブタイトルは 「あなたは、まだポイントを振り分けていないだけなのかもしれない」 という、やけに長いものになっております。 「リア充」 自分がまだ日本にいた頃には、存在していなかった言葉……いや…

どうしたらいいのか分からなかったので、服を脱いで走った

記事の冒頭ですが、頭を下げさせていただきます。 タイトルだけを冷静に見ると、ただの変態です。 上の題から得られる第一印象は、間違いなく頭のおかしな人です。 これから順を追って話を進めていきますので、どうか釈明の余地をください。 突然ですが、皆…

「もしも」の世界は、パラレルワールド

パラレルワールド。 今いる世界と並行して存在する、もうひとつの世界。 皆さんは「if もしも」というテレビドラマを覚えていますか? 1話完結の物語の中で分岐点があり、それぞれ選んだ選択によって結末が変わるお話です。 随分、昔に放送されたものなので…

私が私をやめたなら

私が私をやめたなら あなたは満足するのだろうか 私が私をやめたなら あなたは代わりを探すのだろうか 穴は深く どこまででも続く ほつれた畳の縫い目が近い ひれ伏した視線は 地面と水平だ 私が私を保つあいだは 誰かの叫びは聞こえない 私が私をやめない限…

ハッシュタグ「人間を出せ」

前回の記事の続きです。 yoshitakaoka.hatenablog.com ハッシュタグ「人間を出せ」の世界。 これ、個人的に十分あり得る未来だと思います。 自分が例えに出した2037年、今から20年後の世界なんですけど、現在の進化のスピードを考えたら、きっと想像以…

ようこそ、ホテル「近未来」へ

「未来」と言っても、何百年も先の話ではなく、何十年先の「近未来」 例えば、今から20年先の2037年。 地球がどうなっているとかいう話はひとまず置いておいて、一部分にクローズアップ。 映し出すのはホテル。 自分が今、働いている場所の20年後の…

ねぇ、知ってる?

ねぇ、知ってる? あの子のお母さん、PTAの会長さんとできてるらしいよ。 ねぇ、知ってる? あの子の家の弟さん、やっぱり変なんですって。 ねぇ、知ってる? あの子のお母さんの出処、どうも橋の向こうの地区らしいのよ。 ねぇ、知ってる? あの子のお父さ…

きっと、あなたに会っていた

似ていたとしても、同じものは二つとない。 自分は人の感性に、とても興味があります。 その人が生きている中で、何を感じ、何を思い、そして何を考えているのか知りたいのです。 他人の感受性は、いわば無限に広がるパラダイス銀河。 大丈夫です。気が触れ…

どうか、仮面は付けたままで

プライベートとパブリックの境界線。 決して、うやむやにしてはいけない大事なライン。 仮面を付けて社会を生きる。 作り込んだソトヅラは、出会う人への思いやりだ。 お外は、あなたの家ではない。 だから、どうか仮面を外さないで。 毎日みんなが、それぞ…

高橋名人チルドレンよ、立ち上がる時がきた

高橋名人チルドレンに告ぐ 時は来た "The time has come" だ 同じことを2回続けて伝えなくてはならない程、とっくに機は熟している 2016年も、もうあと僅か これ以上、待っていてはダメだ 君達はロストジェネレーションを生きてきたのではない アナログ…

そこで音楽は鳴っているか?

気がつけば、2016年も残すところあと少し。 時が経つのが早すぎて、誰かに2ヶ月ほどチョロまかされた錯覚を覚えます。恐ろしい。 時間もそうですが、進むスピードに驚きを隠せないのは、テクノロジーも同じです。 例えば、電話。 小学校時代の黒電話に…

タキシードを着た友人は、自分の知らない顔をして頭を下げた

先日、親友の1人が結婚しました。 自分は帰国が叶わず、式に参加することは出来ませんでしたが、送ってもらった写真や映像を通して、その場にいる気分に浸りました。 久しぶりに見た、みんなの顔。本当に良い表情をしていました。 それと同時に、映し出され…

馬に引きずられて分かったこと

突然ですが、皆さんは動物の考えている事を知りたいですか? それとも、知りたくないですか? 自分は、知りたくないです。 ウチには、大好きで大好きで、愛してやまないニャンズがいます。 自分は、彼らと気持ちが固く通じ合っていると信じていますが、心の…

「大丈夫だ」と伝えたい

伝えたい言葉がある 手段は選ばない メモでも、新聞の広告でも、駅のホームのアドバタイズや掲示板だっていい どうにかしてあなたの目に止まって欲しい、「大丈夫だ」というメッセージ カナダに移住してから、自分はとにかく生き残ることを最優先に動いてき…

誰もいないグラウンドを見ていた

忘れてしまっても、なくなってはいない。 姿が見えなくても、変わらずそこに居続ける。 記憶は不思議です。 日常生活の中で、しょっちゅう呼び出される「1軍」の記憶と、長いこと登場機会のない「3軍」の記憶。 活躍頻度の違いはあれど、どちらも老け込む…

日本製人間・タイプ S - 54 が見た「あの頃」の世界

タイプ S - 54。 製造された年が刻まれたボディー。まだまだ稼働に問題はないが、最先端とは程遠いロットナンバー。 僕らは、アナログとデジタルの狭間に量産された世代。 同じ工場で生産された皆様、故障もなく、お達者ですか? タイプ S - 50 番台、もしく…

キャベツとミルキー

日常生活のフトした瞬間に、昔のことを鮮明に思い出すことがよくあります。 先日、お弁当のおかずに豚肉を使った炒め物を作ろうと、キャベツを切っていた時もそうでした。 思い出したのは学生時代、母親が作ってくれた弁当。中身は荒いキャベツの千切りと、…

頭の中の街

ずっと、憧れていた街がありました。 中学2年の時に、ブラウン管に映し出された世界。毎回楽しみで仕方がなく、ビデオ録画をしては何度も見直して、その街を目に、というか脳に焼き付けていました。 皆様、「17才 - at seventeen」というドラマを知ってい…

「セレンディピティ」というものを体験した日

セレンディピティ……あの、一体、何のことですか? それって、TOEICの単語帳に載ってますか? 以前、書いた記事にもある通り、自分はスピリチュアリズムや精神世界の存在を信じていませんでした。 yoshitakaoka.hatenablog.com世の中にあるものは、自分の目で…

記憶にある匂い

自分には、カナダへ移住してから新しく始めたことがいくつかあるのですが、その内の1つにファーストネーションズの歴史勉強があります。 「ファーストネーションズ」 カナダではそう呼ぶのが一般的ですが、平たく言うとカナダ先住民、つまりはインディアン…

ロマンティックあげるよ

「ロマンティックあげるよ」 言わずもがな、「Z」でも「GT」でもない元祖ドラゴンボール、水曜7時25分辺りの憂鬱です。 自分は子供の頃、この曲が大好きで、嫌いでした。 その理由は、きっと、当時の小学生の殆どが感じていた気持ちと同じです。 あの、楽…

「怒り」について

「怒り」について様々な角度から考えるようになったのは、カナダに来てからです。 日本にいた時は、怒りを溜め込んでいたし、外に出して表現することは出来ませんでした(その反動で家族には多大な迷惑をかけました)。 それに日本で生きていると、怒りを抱…

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