あんたやあんた達の歌をうたおう

灰色の壁に投げた石が
影になって夜に溶け込む

 

盗んだ菓子を頬張っても
離した思いは戻らない

 

帰れなかった校庭で
お前は何を見ていた

 

蹴飛ばされた帰り道で
お前は何を見ていた

 

騒がしい国道に消された叫び
ジェスチャーだけじゃ掴めなかった

 

首にかけてた銀の鍵
パンクしたままの黒い自転車

 

あんたがいた場面も空気も
忘れた瞬間に消えるんだろ

 

だったら俺はここに残って

あんたやあんた達の歌をうたおう

 


もう戻らないと家を出て
二時間後にはガラスを叩いた

 

片耳だけで踊るピアス
薄れた香水は煙草に負けた

 

環境のせいだって
借金のせいだって
暴力のせいだって

 

癒えない傷を舐め合っても
カサブタにさえならなかった

 

財布に残った映画の半券
隠した手紙に何を書いた

 

手首に引かれた赤い線
眠剤の先に何が見えた

 

山になったキャスターの吸い殻
指で弾いたスリーナンバー

 

あんたがいた場面も空気も
忘れた瞬間に消えるんだろ

 

だったら俺はここに残って

あんたやあんた達の歌をうたおう

 


受けたマイナスは黒い種だ
忌み嫌って潰すなら
水をやって生かせばいい

 

いびつな花が咲こうとも
決してその首を刈ってはいけない

 

どんな形や色をしていても
きっとあんたを照らすから

 

 

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