13インチの鎮魂歌

腕を押さえてめくるスウェット

横に走った赤い線

ミミズみたいな赤い線

 

外に出せずに向けた刃

二個目の蛍光灯が点滅する

 

為すすべがなくて無言で笑う

楽しくもないのに手を叩く

 

「縦に引いたらマルバツができる」

 

勝っても負ける真っ赤なゲーム

角はいつだって埋まったまんま

 

やり切れないって泣くのなら

タトゥーを入れて隠そうか

 

六階で見つけた黒い影

先月より二階も上がってる

 

足元に溜まったキャスターの吸い殻

今日はここで何分待った?

 

「遅いよ」って咳き込んで座る

死なない嘘なら大歓迎だ

 

赤い線を舞うハミングバード

知らないんなら教えてあげる

それは癒しを与える幸せのシンボル

錠剤なんか運ばない

 

肩に激しく爪を立てる

めり込む感覚で安心するなら

気を使わずにご自由に

こっちのことなら大丈夫

絆創膏は箱であるから

 

この前の人から連絡はあった?

四六時中いじっているけど

その電話

一昨日から電源が切れてるよ

 

「他に売るものがない」って飛び出した玄関

湿気と土の匂いの中で

自転車のハンドルを強く握る

全然似合ってない濃いメイク

綺麗なままじゃいられない

 

そのままでよかった

そのままがよかった

 

「だったらあんたがお金をくれるの?」

 

あの日に両手を離してから

報える方法を探しているんだ

 

目を閉じたままじゃ飯は食えない

人に期待を預けない

意思が宿るから走り出す

言いっ放しじゃ終わらせない

 

埋まってた思いから咲いた花

どんな色なのか見に来て欲しい

 

赤いバッグをかけた背中

今なら振り返ってくれて構わない

 

受け止めるだけの言葉はある

僕の言葉はここにある

 

たくさんの記憶よさようなら

一緒に生きてくれてありがとう

皿まで全部平らげたから

これを最後にさようなら

 

輪廻転生があったとしても

人間には生まれ変われないし

生まれたくはない

 

息をしている有り難さは理解している

ちゃんと毎日手も合わせている

 

でもこれで最後

選べないのは分かっている

でも今世で最後

 

だからもう遠慮はしない

書きたいことを書き

言いたいことを言い

会いたい人に会う

 

出会ってくれてありがとう

 

あなたに会えて

本当によかった

 

 

f:id:yoshitakaoka:20181018184439j:plain

 

 

© Copyright 2016 - 2019 想像は終わらない : 高岡ヨシ All Rights Reserved.