友への伝言

思えば不思議な関係だった

普段は口もきかなかった

 

チャイムの合図で狩られる時間

終わりは意味を成さなかった

 

暗い階段の途中に射す光

窓から覗く中庭に射す光

 

同じ校内で息をしても

そこに楽園はなかった

 

お前はいつも下を向いて

指のささくれを取ってた

 

俺はいつでも下を向いて

ただれた皮膚を摩ってた

 

適当に生み出し与えられた

滑稽で汚れたニックネーム

俺たちは3年契約のピエロ

特徴なんていらなかった

 

「どうだった?」

「今日はマシだった」

 

「どうだった?」

「今日はヒドかった」

 

僅かに重なる出入りの瞬間

俺たちは中庭を見ていた

 

魂と引き換えに学期を買って

春夏秋冬を過ごした

 

流れる風景と留まる想い

俺はお前を救えなかった

 

裂ける傷口と閉じる瞳

俺は俺をも救えなかった

 

消えずに浮かぶ

放課後のパレット

 

お前もその色を見ているか?

今でもその色を見ているか?

 

俺たちはみんな犯罪者

自分殺しの常習者

 

腫れた悪意を壁に投げつけ

弾けた黒をその身に浴びた

 

俺たちはみんな犯罪者

自分殺しの常習者

 

囲った怒りに飯を食わせて

その身を喰われた敗北者

 

仕舞い忘れた激情は

心の残骸と化したか?

 

重ねた年と巡った記憶に

背中を潰されてはいないか?

 

残像

残像

残像

 

大丈夫

ただの幻だ

 

迷走

迷走

迷走

 

大丈夫

どれも正解だ

 

ハローCQ

応答せよ

 

これは友への伝言だ

 

ハローCQ

応答せよ

 

今夜も上手く眠れないか?

 

長かった夜は無駄じゃない

空白の期間も無駄じゃない

生きづらさの迂回路は

自己確立への近道だ

狂った物差しとビジョンは

天から授かったギフトだ

 

時効を持たないコールドケース

犯人探しはもうやめよう

 

悪いのは傍観者でも

色褪せた無関心でもなく

ましてや弱い心でもない

 

どんなに影が迫っても

手を下すのは俺たちじゃない

トリガーを引いて幕を閉じる

そんな覚悟は崇めない

 

芸術とか文学とかどうでもいい

名前は後から付ければいい

俺たちが出すのは感情だ

ひっついて離れない映像だ

 

飛びたくなければ

飛ばなくていい

黙っていたいなら

話さなくてもいい

 

俺が言葉を綴るから

文字で気持ちを報うから

 

ハローCQ

応答せよ

 

これは友への伝言だ

 

ハローCQ

応答せよ

 

お楽しみはこれからだ

 

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