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きっと、あなたに会っていた

大切なもの 頭の中

似ていたとしても、同じものは二つとない。

 

自分は人の感性に、とても興味があります。

その人が生きている中で、何を感じ、何を思い、そして何を考えているのか知りたいのです。

他人の感受性は、いわば無限に広がるパラダイス銀河。

大丈夫です。気が触れたわけではありません。言葉足らずを補足します。

 

当たり前ですが、自分と他人は違います。

例えば、ロッテ「霧の方舟」と、ブルボン「アルフォート」「ルマンド」があなたの目の前にあるとします。

それを見て、あなたはどんな気持ちになるでしょうか?

 

自分はこのお菓子たちを目の前にすると、身の引き締まる思いがします。

「コンソメパンチ」や「うすしお」などのポテチ兄弟では味わえない背伸び感が心に迫るのです(どちらのチップスも大好物です)。

しかし、人によっては上記の「山の手御三家」を前にしても、全く動じることなく、「たべっ子どうぶつ」と同じ勢いでパクパク食べる方もいると思います(もちろん、たべっ子どうぶつも大好きです)。

 

自分は映画「ニューシネマパラダイス」の愛のテーマを聞くか、漫画「H2」の15巻(ワイド版)、ひかりのお母さんが亡くなる場面を読むと、もれなく泣きますが、同じ「H2」でも15巻ではなく、木根の完投シーンで涙する人もきっといるはずです。

 

つまりは十人十色。

同じものを見たとしても、人によって感じることはバラバラ。

当たり前の事なのですが、自分には、それが魅力的で仕方がないのです。

人が何を感じ、何を思い、そして何を考えるのか。

特別な話題はいりません。

「今日、一日、何かあった?」そのテーマだけで、何時間でも話していられます。

ただ、話すだけ。

お金も一切かからない上に場所も選ばず、全くもって手軽に実行できる自分の趣味なのですが、一つ大きな問題があります。

それは、相手です。

 

日本にいた頃は、「これでもか」というほど一緒に時間を過ごした方たちがいたお陰で、日々、あーだこーだと終わりのない議論を交わすことが出来ました。

しかも、お互いの関係性がとても近かったため、自分を変に飾る必要もなく、「ツーと言えば、カー」の状況を享受していました。

自分はこの有難い環境に、9年間どっぷり浸かって甘えていたのです。

仲の良いメンバーの間では、喋り無双の如く立ち振る舞いますが、蓋を開けた中身は「ザ・内弁慶」です。

 

元々、社交的でも人付き合いが上手いわけでもないので、カナダに移住してからは誰かと深い関係を築くこともなく、嫁と2ニャンズの4メンバーで生活をしてきました。

それでも不自由を感じなかったのは、嫁と理解し合えたこともそうですが、新天地に根を生やそうと必死だったからだと思います。

とにかく、サバイブしよう。

状況が何とか落ち着きだした一昨年くらいまでは、その思いが常に頭を占めていました。

なので、その間、自分がやってきたこと言えば、内へ内へと潜っていく行為のみ。他人と交わったり外へ何かを発信する代わりに、ひたすら中へと侵入して行き、己の記憶のそこかしこを覗き回ることに終始していました。

 

そんな毎日を約8年ほど送り、どうにかこうにかやっていけるようになり、念願だった執筆作業も生活に組み込むことができました。

気分的には、久しぶりの「はぁー、どっこいしょ」です。

人は少しでも余裕が生じると、欲が出るものです。

気持ちのどっこいしょがしばらく続いた後、下ろした腰を強制的に持ち上げるように、とても強い感情がモコモコと心に湧き上がってきました。

 

「他人の感性に触れたい」

 

見るものがそれしかない為に、ひたすら自分を見つめ続け、心の蓋も引っぺがしてやってきました。取り扱いに困る記憶が出てくるなど、大変貴重な体験ができ、メモリーノートもたくさんストックできましたが、自分自身に関してはとりあえず一旦休止です。

自分とは全く違う考えを持った人の思いを知りたい。

たくさんの人の感受性が溢れる空間を覗きたい。

下げていた腰を上げさせたのは、そういった気持ちの集合体です。

 

説明が長くなってしまいましたが、そこで問題となるのが、相手です。

人付き合いは得意ではないですが、仕事中は職業ペルソナを付けているので他人とのコミュニケーションに問題はなく、そこでの人間関係も、それなりに楽しめています。

ただし、それはあくまで仕事上で、同僚たちと飲みに行ったり、職場以外であったりすることはありません(特例としてベーコン大好きインド人N君とはカレーを食べに行きます)。

人はある程度、関係が深くならなければ、思いを語ってくれません。

職場での表面上の付き合いで分かるのは、ブルージェイズ(野球のチームです)や、メープルリーフス(ホッケーのチームです)への愛情などが関の山です。

かといって、「今日、何かあった?」のトピックから無理やり掘り下げていって1時間以上話をしたら、不審なアジア人として迷惑がられます。

それに、その人自身に興味を持てる部分が全くないと、自分は1時間はおろか、10分でさえキツくなってしまいます。

 

うーん。難しい。

他人の感性に触れたいけど、距離感が掴めないし、ガッツリ行く気にもなれない。

どうすればいいのか……。

そんな悶々とした気持ちに光を射してくれたのが、「ブログ」というものでした。

 

ブログって凄いんです。

他人の感性が、至る所に転がっています。

21世紀、ばんざい。

 

「はじめまして」から始まって、ある時はガストへ行き、またある時はサイゼリア、デニーズをはしごして、吉野家で締めるなんて日を過ごし、最後の難関であるロイヤルホストで苺のパフェを食べる。そうして、ようやく聞ける「俺さぁ」もしくは「私はぁ」のストーリー。

そんな難易度の高い段階を通って、頭の中を覗かせてもらわなくても、皆さんブログで各々の感性を隠さずに見せてくれているのです。

 

苺パフェがいらない。

もはや、チート。

21世紀、ばんざい。

 

もちろん、ブログでなくとも、人の感性に触れる機会はたくさんあります。

それは、小説であったり、エッセイ、雑誌の記事、映画や写真、絵画もそう。言ってみればその世界こそがパラダイス銀河なのですが、自分にとってそれは受け取り方のニュアンスが少し変わるのです。

いい映画や、いい写真を見て感じるものと、人と直接話をして感じるものは、自分の中で違いがあります。

もちろん、どっちも素晴らしいのですが、事実として違うのです。

 

何と言うか、出来上がっている作品を見る時は、自分は服を着ます。

いや、当然いつも服は着てますよ。別に全裸どうこうの話をしているのではなく、感情が服を着るのです。

小説や詩集を読む時も、写真集や映画、それに演劇を鑑賞する時も、バシ決めではないですが、何か羽織ってから見始めます。

これは、気張って構えているというわけではありません。その方がしっくりくるので、そうしているだけです。

 

ただ、ブログは違います。

皆さんのブログを読ませていただいている時、感情の服は着ていません。限りなく真っ裸に近い状態で見ています。

自分にとって、ブログは出来上がった作品を眺めるというよりも、友人の話を聞くという感覚に近いのです。

ですので、距離が近いうえに一方通行ではない。

勘違いして欲しくないのですが、ここに優劣はありません。受ける刺激の種類が違うだけです。

どちらも自分にとっては有難い刺激。

皆様のブログに、感謝です。

 

長々続けてしまいましたが、最後にもう一つだけ。

タイトルにある言葉の意味なのですが、数多くのブログを拝見させてもらっている内に、とても不思議な感覚を覚える文に出会うことがあります。

この感じは以前にも書いたことがあるのですが、一言で言うと「知っている」という感覚です。

文章の書き方、言葉選び、文全体から醸し出す雰囲気、全部引っくるめて何故だか「知っている」と思えて、とても幸せな気持ちになるのです。

「文は人なり」の言葉を素直に飲み込むならば、文から伝わるその人のイメージを、知っているということになります。

 

こう書くと、何だか怪しげな雰囲気になってきますが、自分が言いたいのはそういう事ではないのです。

ただ素直に、懐かしいような、嬉しいような、優しい幸せな気分になるだけです。

勘違いかもしれませんし、思い過ごしかもしれません。何一つ確証はありませんから。

 

ただ、もし輪廻転生があるのならば、きっと自分の過去生の中で、何らかの形でその人たちと関わっていたかもしれないと思えるのです。

その方たちの年代も、出身地も、今現在の状況もバラバラです。

なので、もしこのブログを始めていなければ、ほぼ確実に関わるキッカケのなかった方たちです。

現世では顔を合わせない代わりに、ブログといった形で出会っているのかもしれません。

何度も言いますが、何の確証もない自分のたわごとです。

でも、自分には「そうなのかもしれない」と思う方が自然に感じるほど、その「知っている」という実感は、懐かしく優しいものなのです。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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(オンタリオ湖を望む木陰。向こうに見えるのはアメリカ。島国に育った自分には、いつまでたってもこの国境感覚に馴染めません)

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