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THE・内弁慶 VS 会社のパーティー

カナダ 海外生活

ザ・内弁慶。

正確に発音すると、ジ・内弁慶になりますが、ここでは便宜上「ザ・内弁慶」で統一したいと思います。

ザ・内弁慶。この限りなく後ろ向きな名前は、キン肉マンの超人募集コーナーに投稿しても、決して日の目を浴びることはないでしょう。

仕事中は常に、ニッコニコしているザ・内弁慶ですが、それは表向きの職業ペルソナであって、本来の姿ではありません。実際、電話口で宿泊客の苦情を聞いている時などは、ササッと意識の幽体離脱をし、ゴマちゃんを養う少年アシベ家のエンゲル係数や、小学生のくせに鰻重が大好きな小嶋元太くんのローレル指数などに思いを巡らせています。

仕事の役割に徹することが出来ないザ・内弁慶は、未熟超人ジェロニモの足元にも及ばない、未熟人間です。

 

そんな悲しきジェロニモが泣いて憧れた超人ですが、カナダでは冬になると、女性の超人が現れます。

自分の街には大きなカジノがあるのですが、そのカジノに隣接する有名なクラブ(自分にとっては魔界村)の玄関口、または、働いているホテルのメインエントランス付近でその超人さんたちを目撃することができます。

それらの場所にいる女性超人の方々の特徴は、薄着です。

雪が降ってようが気温がマイナス4度だろうが気にする様子もなく、露出度の高いドレスにコート1枚という超人スーツに身を包み「パーティーシティー、フォォー!」と叫んでタバコを吸っています。

ちなみに、彼女たちが履いているのはピンヒール。

凍傷などにはならないのでしょうか?

お腹を壊したりしないのでしょうか?

ほぼ素っ裸状態の上に、コート1枚……。

シチュエーションが違えば、小学校時代の春先に先生から注意を促される人物像と被る点が見えますが、ここはパーティーシティー。ホテルのロービーバーで飲んでいるおじさん達に喜ばれることはあっても、警察に通報されることはありません。

しかし、マイナス4度で生足ドレス。気合の入り方が半端じゃありません。

人間の五感をも超越する「美」への忠誠心は、まさに超人。

自分が女性だったら、間違いなく泣いて逃げ帰る確信があります。

 

有名な観光地という要素に加え、大きなカジノが2つ、そしてレストランやクラブ(魔界村)などのエンターテインメント施設が集結しているこの街は、一年を通して超人さん方のパラダイス銀河になっていますが、ホリデーシーズン真っ只中でパーティーやイベントが頻繁に行われているこの時期は、特に彼女たちの目撃例が多くなります。

自分の会社でも2週間前にクリスマスパーティーがあり、例年通りたくさんの超人さんたちが一堂に会しました。

パーティーには同じ街にある2つの系列ホテルからも社員が参加するので、出席者は物凄い数になります。

 

自分は今年、そのパーティーに参加しませんでした。

何も理由がなく欠席すると「Why Why モンスターズ」の尋問を食らうので、しっかり当日勤務に名前を入れました。

 

人で溢れかえるパーティーという名の社交舞踏会。

正直、苦手です。

その会場で顔を合わせる人とのエンドレス握手&ハグ。はたまた人によっては、頬への「エアーキス」交換に小話のおまけ付き。

5、6人を超えた辺りから確実に現れる疲労感。徐々に体力を削られていくような感覚です。

そんな体たらくなので、挨拶マラソンが終盤に差し掛かる頃には、「早く家に帰って、チョコを食べながらタモリ倶楽部が見たい……」という欲望だけで自分の脳みそが満たされます。

まだパーティーが始まってもいない段階でギブアップです。かといって直ぐに帰宅するわけにもいきませんので、食事を頂いた後はボォーっと人間観察をします。

そうしてしばらく我慢をし、流れが落ち着いてから始まる舞踏会を合図に、踊らない自分は隙を見て会場を後にします。螺旋階段を走って逃げるアジア人。不審者です。

 

話は逸れますが、皆さんはパーティーで踊りますか?

こちらでは、大体の人がダンスをします(ウチの職場に限った話ですが)。ですので踊らない自分は皆から不思議がられます。

クラブ文化で育っていない自分は、人前でリズムに乗る習慣がありません。

誰かが周りにいると人目が気になって絶対に無理ですが、一人の時はコッソリ踊ってます。踊るといっても本格的にではなく、自分の好きな音楽に合わせて(Libroが最高)自由に体を動かします。

日本ではステップを刻んだこともなかった自分ですが、カナダに来て、一人になる時間が増えたのを機に、Youtubeで踏み方を学びました。

何と言うか、感情を体で表現したかったのです。

日本にいた時は、ずっと一緒にいた仲間達との場で、それを表すことが出来ました。自主制作映像を作っていたのもその一環です。

こちらで小説やブログを書いたり、色々なアイデアをノートにまとめたりするのも非常に楽しいアウトプットなのですが、「静」ばかりが続くと、どうもバランスが悪くなります。

ですので「動」を求め、踊ります。

今まで自分が「こう書いていこう」と想定していた小説のプロットが良い意味で壊れて新しいアイデアが急に浮かんだりすると、嬉しくて嬉しくて堪らなくなりipodを取り出し、曲をかけます。

嫁に隠れて踏む、下手くそなステップ。

誰の為ではなく、自分の為だけに踊ります。

文章は、皆さんに読んで欲しくて書いています。

小説を発表したりブログをやっているのも自分の考えやアイデア、頭の中を知って欲しいのが理由です。

作品を買って頂いたのが報告レポートで分かる度に、自分は息ができます。個人的な考えですが、書き物は誰かに読んでもらえて初めて呼吸が出来ると思っています。

でも自分にとってのダンスは、自己満足のツール。自己完結バンザイ。

なのでこれからも誰にも見られないように、地下でヒッソリとステップを踏み続けます。

 

話が大きく脱線しましたが、兎にも角にも、自分の性格はパーティーに全く向いていません。

 

何でですかね?

生まれた家の影響?

育った環境?

DNAレベルの話?

 

ザ・内弁慶の名前通り、親しい仲間内で盛り上がるのは大好きなのです。

そこにビールやワインは要りません。

午後の紅茶レモンティーとチェリオのライフガードがあれば、何時間でも話していられます。早く家に帰ってブラタモリを見ようなんて考えも一切、出てきません。

 

現時点でこの件に関して何の解決策も浮かばない自分は、この会社に勤めている限り、クリスマスパーティーの日は間違いなく勤務になりそうです。

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(何年たっても寒いのは苦手ですが、赤ピンクと白の相性は抜群です)

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