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カナダでの家族と、人との距離感

自分はカナダで、嫁プラス2匹の猫と一緒に暮らしています。

この地で、ほかに頼れる身寄りのない自分達からすれば、この2匹はペットではなく、文字通り「家族」の一員です。

たかが猫、でも、されど猫です。

 

自分と嫁は、2人とも人との距離感が上手く掴めないタイプです。

仲良くなれば、とても深く付き合えるのですが、大概はどう接していいか分からなくなり、相手と疎遠になってしまいます(徐々に改善されていますが)。

別に人嫌いな訳ではないんです。ただ最適な距離感が分からないのです。

自分はカナダへ来る前、とても距離が近かった仲間たちと約9年間、ほぼ毎日一緒に過ごしていました。今の自分の基礎を構築する手助けをしてくれた恩人たちです。

とてもありがたい日々だったのですが、その期間、そこのメンバーとの極めて近い距離感に甘えてしまい、他に交流関係を広げずにやってきてしまいました。

きっと、それが人との距離を上手く測れない理由なんだと思います。

 

そんなことで、こちらに来てからは基本的にこの2人+2匹の4メンバーでスクラムを組んできました。2人だけだったら息の詰まるような状況でも、4メンバーだったらオリヤッと前進出来ます。彼らはどう思っているか分かりませんが、その存在にたくさん救われてきたこちら側は、感謝の気持ちで一杯です。

 

自分と嫁は、日本にいる時からお互い猫が大好きで、嫁が2匹、自分は1匹を飼っていました。カナダにきてからも猫と一緒に生活をしたかったのですが、万が一帰国しなければいけない状況を考え、永住権のビザが取れる迄その選択肢を考えないようにしていました。

 

そんなある日、知り合いから「日本人のワーホリの子が帰国するので、飼っている猫の新しい飼い主を探している」という話を聞きました。

その時はビザが下りていたので、自分も嫁も「これは巡り合わせだ」と思い、引き取ることにしました。

その子が、ミータです。

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(性別が雄のせいか、自分よりも嫁になついてます)

 

彼はシェルター出身で独立心が強く、おとなしく、しっかり者です。

初めて家に来た日でも、ソファーで寝れるくらい根性が座ってます。

窓際に座り、自宅警備をするのが主な日課です。性格は「ツンツンツンデレ」で、終始ツンの要素がデレを上回っています。でもたまに出す「デレ」で相手の心を掴みます。

2匹目の猫が来た時、テンパりながらもすぐ受け入れてくれた優しい子です。

彼は自分たちが古い民家の2階に住んでいた頃からの付き合いで、戦友です。

 

自分は2匹目の猫を迎え入れる気はありませんでした。前に調べた時に、多頭飼いは猫にとって良いわけではないといった説明が自分の中でしっくりきていたからです(今は180度考えが変わりました)。

ですので嫁から、「仕事帰りの道で、急に車の前に子猫が飛び出してきた。雨降ってるし危ないから保護していい?」と電話があったときも、正直「うーん」となりました。

なにはともあれ、嫁に保護されて一時的に地下に運ばれていたその猫と初対面したとき、自分の憂いはいとも簡単に飛んでいきました。

ガリガリで毛並みもグチャグチャでしたが、ともかく愛らしかったのです。

その子が、ナナです。

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(保護時、背中に浮いていた骨が嘘のように、今ではすっかりお団子)

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(ソファーからズリ落ちるギリギリで寝る、という荒技を披露中)

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(ビビりのくせに基本、腹だしで、警戒心ゼロです。性別が雌のためか、嫁よりも自分になついてます)

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(趣味は、人の体の上で波乗りし、睡眠妨害をすることです)

 

ストリート育ちのナナは、お腹に虫がいる程度だったミータと違い、健康状態がボロボロでした。先ほど触れた通り、とにかくガリガリで毛並みも酷く、プルプル震えていて、喉には穴が空いてました。すぐに獣医に連れて行くと、「高熱と喉の穴からの感染で危ない状態だった」と言われました(後にリンパの腫れも発症)。ギリギリです。でも、不思議なことに、ナナからは悲壮感を一切感じませんでした。

この子、変わっている子なんです。まぁ、こっちが勝手にそう当てはめているだけかもしれませんが、何か、抜けてるんです。

ビビりのくせに警戒心が無く、自宅警備にもあまり興味を示しません。外を見る時間よりも長く鏡の前で過ごします。性格は「デレデレ」で、ツンの要素が全く見当たりません。常に人と一緒にいたがる猫で、風呂待ち、トイレ待ちなど、「甘えネコあるある」の殆どが当てはまる子です。

彼女は自分たちが家を購入してすぐに来た子なので、ナナがいる年月がこの家と共にいる年月になります。

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(ミータ先輩からの指導で、自宅警備を教わるヤル気のない新人、ナナ)

 

この4メンバーを思うとき、自分は「家族」という言葉を認識します。

今、自分を取り囲んでいる家族は、日本にいる家族と、同じカテゴリーですが自分の中では意味合いが違います。

人との距離感を思うとき、自分のイメージは常に縦軸です。自分から見て、前と後ろ。

これは決して力関係を表すものではありません。自分を取り囲んで社会があると考えると、自分の場合は「前後」になるのです。日本にいる家族も、ここに入ります。

ただ、ここカナダでの家族を思うと、イメージは横軸になります。自分と平行に並ぶ4メンバー。距離感は、近いとか遠いとかいうのはありません。これを言葉で表すならば、きっと「運命共同体」というのが一番近いのだと思います。

この地で生きて、豊かに存続していく。そのための長く伸びる横軸。

1人より、2人。2人より、4メンバーです。

 

家族は他人ではありません。

でも、他人から家族になるんです。

生まれた環境や血の繋がりは、それほど重要ではなく、本当に辛いとき、大変なとき、嬉しいときにそばにいて、しっかりと手を差し伸べてくれる人(猫、犬、ウサギ、鳥、太陽、月、星……何でも可)の事を「家族」もしくは「友達」と言うのではないだろうかと、自分は思います。

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(もうすぐ終わりを迎える紅葉シーズン。ナナと遭遇した街にある、秋化粧メープル)

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